【主張】雑誌『世界』11月号を読んで
月刊誌『世界』2012年11月号を読んだ。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/
9月9日のオスプレイ反対県民集会の特集記事が掲載されており、その中に沖縄県商工会連合会会長の照屋義実氏のことが書かれていた。
沖縄の経済界には、不文律がある。政府を批判するたぐいの市民集会には表立って参加しないのだ。ではなぜ、会長自らが参加したのか。また、参加だけにとどまらず、共同代表のひとりとして壇上で決意まで述べるに至ったのか。その理由と心情が、余すところなく記事には書かれていた。
照屋会長は、自身を「宮森世代」と呼ぶ。そして、今回のオスプレイ配備計画が中小企業経営に悪影響を与え、ひいては沖縄経済の自立への希望さえも打ち砕くと述べている。
読みながら、涙があふれてきた。私の涙は、沖縄がこれまで味わってきた苦しみから来る悔し涙であると同時に、これからの沖縄は違うんだという希望を感じる感動の涙でもある。
沖縄は、確実に変わった。
「保守と革新」、「基地と経済」の二項対立に分断され、基地がないと食っていけないなどと揶揄されてきた。今でも政府関係者をはじめ、本土の人々の多くがそう思い込んでいる。
そうではない。それはもはや幻想に過ぎない。
基地の跡地利用が何倍もの、何百倍もの経済効果を生み出していることは、沖縄では周知の事実である。
だからこそ、今回の9.9大会には照屋氏はじめ、そのほかの経済界関係者も参加し、多数の県民が心をひとつにしたのである。
JA沖縄グループの小那覇会長が壇上で決意の挨拶を述べたのも特筆すべきことだ。
記事によると、金秀グループも350人の管理職が参加したという。
それ以外の企業も、それぞれの想いを抱きつつ参加を決めたのだろうということは、想像に難くない。
沖縄は、確実に変わった。
オスプレイなど、もっての外。
このブログを書く前に、また、悲劇が起こった。米兵による婦女暴行事件だ。
米軍は全面撤退の準備を始めるべきだ。沖縄県民の世論が、居座りを許さない。
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