2012年11月13日
【TPP】TPPは断固、阻止しなくてはいけない
TPP反対の論客として知られる東京大学の鈴木宣弘教授の提言を読んだ。
TPPを争点に衆議院を解散するなどという話もあるが、論理破綻だ。
そのことが良くわかる提言なので、ご紹介したい。
また、TPPに関して良くご質問をいただくのが、食の安全が脅かされるのではないかということ。
そのとおり。
米国の農業界は輸出で大きな収入を得ている。彼らは各輸入国が、恣意的な検疫によって自国の農業を守っていると不満を募らせており、WTOのSPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)よりも、輸出側にとって有利なルールを参加各国に義務付け、違反があった時は紛争処理手続きによって解決しようとしている。
万が一、日本がTPP交渉に参加すれば、この輸入検疫措置の見直しや農薬や食品添加物に関する基準などの制度変更を要求されることが想定されている。そして、これを拒否すれば、アメリカ側のルールにのっとった紛争処理手続きによって処理されてしまうのだ。
たとえば、彼らはこんな不満を言っている。
「日本の残留農薬を検査するコストは、リスクの低さに比べて高すぎる」
「病害虫を予防するためのレタスの燻蒸処理は、日本の風土による制度であり不要」
「米国産リンゴに対する厳格な検疫手続きは、店頭の保存期間を縮め、輸出を阻んでいる」
さて、彼らの不満を解決したら、どんなことが起こるかは自明の理だろう。
以下、鈴木先生の提言要旨
①政府は「日中韓も東アジア地域包括的経済連携=RCEPもTPPも同時に進めればよい」と言うが、TPPはすべてを撤廃する物。ほかの柔軟な協定をすべて排除してしまう。。
②RCEPにはオーストラリアを含むオセアニア諸国が含まれている。オーストラリアはTPP参加予定国でもある。日本は、オーストラリアに対して、TPPでは関税をすべて撤廃すると約束する一方、RCEPでは関税を認めてもらう例外交渉をすることになる。これは両立する話ではない。
③ASEANでは昨年11月に「TPPが仮にアジアに影響することになったら、アジアの将来はない。アジアに適した柔軟で互恵的なルールはASEANが主体となって提案する」と表明している。規制緩和さえすればうまくいくという自由貿易至上主義の限界は見えている。本質的に筋の悪いTPPを推進するのではなく、ASEAN主体の柔軟で互恵的なルール作りを奨め、アメリカが入りたいといえば参加を拒まなければよい。
④良識ある多くの国民、国会議員が、政府に向けて情報開示を要求してきたが、全く情報が出てこない。これでは、TPPがなんであるのか、多くの国民には判らないに決まっている。しかし、判らないものを争点に総選挙を行なおうとしている。
⑤この問題はいったん交渉参加してしまえば、一抜けた、と言えないところにもある。だからこそ、交渉参加してしまったら、そこで終わりなのだ。TPP反対派も「頑張ったけどダメでした」ではなく、国民ひとりひとりの生活をまもるため、日本を、アジアを、世界を守るために踏ん張り時である。
TPPを争点に衆議院を解散するなどという話もあるが、論理破綻だ。
そのことが良くわかる提言なので、ご紹介したい。
また、TPPに関して良くご質問をいただくのが、食の安全が脅かされるのではないかということ。
そのとおり。
米国の農業界は輸出で大きな収入を得ている。彼らは各輸入国が、恣意的な検疫によって自国の農業を守っていると不満を募らせており、WTOのSPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)よりも、輸出側にとって有利なルールを参加各国に義務付け、違反があった時は紛争処理手続きによって解決しようとしている。
万が一、日本がTPP交渉に参加すれば、この輸入検疫措置の見直しや農薬や食品添加物に関する基準などの制度変更を要求されることが想定されている。そして、これを拒否すれば、アメリカ側のルールにのっとった紛争処理手続きによって処理されてしまうのだ。
たとえば、彼らはこんな不満を言っている。
「日本の残留農薬を検査するコストは、リスクの低さに比べて高すぎる」
「病害虫を予防するためのレタスの燻蒸処理は、日本の風土による制度であり不要」
「米国産リンゴに対する厳格な検疫手続きは、店頭の保存期間を縮め、輸出を阻んでいる」
さて、彼らの不満を解決したら、どんなことが起こるかは自明の理だろう。
以下、鈴木先生の提言要旨
①政府は「日中韓も東アジア地域包括的経済連携=RCEPもTPPも同時に進めればよい」と言うが、TPPはすべてを撤廃する物。ほかの柔軟な協定をすべて排除してしまう。。
②RCEPにはオーストラリアを含むオセアニア諸国が含まれている。オーストラリアはTPP参加予定国でもある。日本は、オーストラリアに対して、TPPでは関税をすべて撤廃すると約束する一方、RCEPでは関税を認めてもらう例外交渉をすることになる。これは両立する話ではない。
③ASEANでは昨年11月に「TPPが仮にアジアに影響することになったら、アジアの将来はない。アジアに適した柔軟で互恵的なルールはASEANが主体となって提案する」と表明している。規制緩和さえすればうまくいくという自由貿易至上主義の限界は見えている。本質的に筋の悪いTPPを推進するのではなく、ASEAN主体の柔軟で互恵的なルール作りを奨め、アメリカが入りたいといえば参加を拒まなければよい。
④良識ある多くの国民、国会議員が、政府に向けて情報開示を要求してきたが、全く情報が出てこない。これでは、TPPがなんであるのか、多くの国民には判らないに決まっている。しかし、判らないものを争点に総選挙を行なおうとしている。
⑤この問題はいったん交渉参加してしまえば、一抜けた、と言えないところにもある。だからこそ、交渉参加してしまったら、そこで終わりなのだ。TPP反対派も「頑張ったけどダメでした」ではなく、国民ひとりひとりの生活をまもるため、日本を、アジアを、世界を守るために踏ん張り時である。
Posted by 沖縄4区・瑞慶覧チョービン at 20:33│Comments(0)
│農林水産・TPP等
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